「希望荘作品展2021」の審査講評

(令和3年10月27日審査実施)

 

「希望荘作品展2021」の審査講評コロナウイルス感染症のまん延で、昨年度は恒例の「希望荘チャレンジフェスタ」も中止となってしまいました。今年になっても、コロナ禍は衰えることなく、希望荘チャレンジフェスタの開催も危ぶまれていましたが、希望荘事務局のご努力や、関係諸団体の皆様のご協力で、作品展の実施だけは決まり、一安心したところです。

さて、今年の作品展への応募は、個人の部に90人から132点、団体の部は13団体でした。1年中断したことから、応募作品が減るのではないかと心配されましたが、一昨年の82人101点、10団体からそれぞれ増加。内容的にも充実した作品が寄せられ、皆様方の作品展に向けた熱意や積極性を強く感じました。

「希望荘作品展2021」の審査講評まず、個人の部について審査の経過と結果をご報告します。年々、出品者のレベルが上がっていることは理解しておりましたが、絵画・写真・工芸・手芸等どの分野でも、新鮮で意欲的な作品が集まりました。審査の先生方からは「作品の中に一生懸命さが出ていてよかった」「色遣いに見るべきものがある」「特に、若い人の作品の中には、まだまだ『伸びしろ』が感じられ期待できる」など好意的な評価が相次ぎました。特に今年は、「書」ではなく「文字」で自分の思いを表現した作品数点が目に止まり、印象に残りました。

個人の部で最優秀賞を受賞された小野 創志郎(おの そうしろう)さん、おめでとうございます。小野さんの作品は、「みんな笑顔」というテーマでした。鳥や虫などの動物10点を描いた小さな紙を、3本の細いひもで吊るした作品で、色遣いが鮮やかで、見ているだけで笑顔になるような雰囲気がありました。来年も優れた作品の搬入を期待しています。また、優秀賞には15点が選ばれましたが、いずれも作者の個性や独創性が十分に表現されていて、「見ごたえがあった」「楽しく審査できた」と、審査後に先生方から意見が寄せられていました。

「希望荘作品展2021」の審査講評次に、団体の部です。例年、各団体の特色が出た作品群が並びますが、今回も楽しい力作が集まりました。最優秀賞は「平成学園」の作品「みんなのミンナの家」に決まりました。それぞれ個性的に仕上げられた「小さな家」が並び、温かみがあり、ほのぼのとした作品でした。製作時のチームワークの良さを感じることができました。他の団体の出品作も、それぞれに高い評価を得ていましたが、一部の審査員からは「よくまとまっているが、もう少し見る側にアピールする手法がほしかった」という声が出ていました。コロナ禍で、作品作りに十分取り組むことが出来なかったのではないか推察され、残念に思いました。

来年も、皆様の創意工夫にあふれた素晴らしい作品をお待ちしています。

 

作品展審査会委員長(希望荘運営委員長) 川本浩右